元カノと夫婦の初夜ってタイトルはすべってる気がするんだけど、ドラマとしては台本が割とレベル高め。さつき芽衣も元カノの幸薄い感じに上手くハマってるし、男優との相性もいい感じ。過去と現在で服装や髪形も状況に合わせて変えるなど、演出にもなかなかこだわりを感じさせる。
基本的な筋書きはシンプルで、互いに結婚、婚約して相手がいるけど必ずしも幸せではない元カノ元カレが、一晩のセックスを経てヨリを戻す内容。筋書きもカラミもちゃんと作ってある方だが、さつき芽衣の「実家」の閑散とした致命的な生活感のなさがドラマ性を損ねてて没入感は微妙。
そこまで作りこむ予算や時間の余裕がないのなら、例えばさつき芽衣の母親は旅行中じゃなくて亡くなった設定にして、結婚前に実家を引き払うシチュエーションにした方が良かったかも。病気の母親を安心させるためのお見合いからの婚約→母親が亡くなる→幸せを感じない結婚のために実家を整理中の出来事にすれば、台本を書き直すだけで絵的にリアリティが出たんじゃないだろうか。実際に手元にある素材から逆算して台本を起こせるかどうかは、ドラマ性を重視する監督なら割と大事なスキルだと思う。少なくとも「どうせAVなんだからそのへんは見る側で何とかしてよ」って言い訳するよりはプロらしい。
純愛ものにしては、中出しからキスやハグといった愛情表現もなくチ○コ抜いて汁見せという演出が、感情の流れをセックスで表現できてなくてダメだし、やってるだけAV以上の何かを作ろうという理想が高そうなだけに、まだ色んなものが足りない印象。
ボトムズ監督はすごくいいドラマ作品を撮りそうな雰囲気はありつつ、朝霧浄監督あたりのフォロワーとして埋もれそうな危うさもあるので、ここからのもうひと頑張りを期待したい。
じっくりゆっくり
2023-05-17